今もなお人気のある2st50ccスクーターですが、2000年頃だったか排ガス規制が設けられ、各社のスクーターがパワーダウンしてしまった。
基本、排ガス規制などはキャブレターやマフラーなどで行われているが、シリンダーのポート加工をする事により本領を発揮させるのが目的です。
はじめに
この加工が限界値まで攻めなければ確実にパワーアップは見込めます。
ただ削ってポート(穴)を大きくすればいいって訳でもないみたいなので。
※注
この作業は完全に素人が素人なりに行った加工になります。くれぐれも自己責任で宜しくお願い致します。
それではどーぞ!

2st車だからこそできる『ポート加工』でパワーアップ!ですが、まずポート加工を知る所から行きましょう。
ポート加工ってなんなん?
ポート加工とは吸気、排気の為に備えられている通り道を削って広げ、吸気、排気効率を上げてパワーアップをさせるチューニングになります。
ただし!
欲張ってやり過ぎるとせっかく加工したシリンダーをオシャカにしていまう恐れがあるので気をつけましょう。
ポートは2種類あります。
排気ポート
排気ガスをシリンダー外へ排出する側の穴


掃気ポート
混合気をシリンダー内へ移送する穴


以上の2つになります。
今回加工した車両はSUZUKIレッツ2
レッツ2の排気ポートはオーバル形(おまんじゅう)でした。
色々と参考に調べてみた結果簡単にまとめると以下の様な感じになります。
上方向に削る事により高回転型特性になる。
※やりすぎると低回転でのパワーが死にます。
横方向へ削る事により排気効率が上がる。
※車種によっては掃気ポートに貫通してしまう恐れがあります。
※ラッパ形状はあまりよろしく無いみたいです。
2stエンジンはピストンがバルブの代わりをしているエンジンになるので、度を超えた削り方をすると最悪エンジン始動すら出来なくなってしまうのでご注意を!
以上の事を踏まえて上方向へ削る際はリスクを伴いますし、吸排気のタイミング角度等難しそうでしたので、自分はこんなイメージで削ることに。
上方向に気持ち+横方向へ広げる
+エキゾーストが付く方から見るとシリンダー上部側にコブがあったのでそれも削ります。
このコブ…見るからに排気抵抗を作ってそうで…コレが必要なのかは分かりませんが邪魔そうなので( ゚д゚)

メインは上記画像の赤丸コブを削り倒します!
コブがある為、人差し指がここまでしかはいりません↓(指の太さもありますが、参考までに)

使用する工具はリューターでサクッとやるのが一般的なのですが…
私は鉄工やすり!笑
時間はかかりますがやり過ぎる事は無いので( ̄∀ ̄)
しかもわざわざリューターを何千円と出して買うのなら別に使いたいですしね。
って感じでこんな感じに仕上がりました。
簡単に言ってますが仕事終わってからの夜な夜な作業でして3〜4時間を3日間やってました!

加工後のbefore after

並べるとシリンダー側の見え方が全然違いますね
掃気ポートもイジってみました。
掃気ポート加工はめっちゃ奥が深そうでシリンダー内中央より後方に送り出される構造をしていて、調べるとそれも適当に広げるとバランスが崩れて調子が悪くなる可能性も…と書いてあったし自分の持ってる物ではシリンダー側は削れないと判断。
なのでクランク側、掃気ポート入口側をちょっと広がる事にしました。
この部分はさすがにヤスリでは出来ないので、この頼りないネイル用リューター&100均リューター砥石を使って地道にクランク側にある掃気ポートの仕切りを鋭角にさせ、部分的に気持ち拡張加工。
因みにこちら側は一次圧縮の関係があるみたいなのでオーバーには削りません。
ここを闇雲に大きく削ると…
削った分の面積分一次圧縮が下がってしまい、その減った分をクランクケースのどこかに金属パテなどで肉盛りして帳尻を合わせないと効果が半減どころかやる意味がなくなってしまうみたいです。
やり過ぎには注意ですよ(^^)
片方完成!

変わったの分かりますかね?コレを両側同じ様に仕上げていきます。
自分は小指の入り具合を目安に仕上げました。
素人ポート加工完成
排気ポートシリンダー側から
気持ち横に広げてます。

排気ポートマフラー側から
ポート上部を平になるように削りました。

人差し指第一関節まで入る様になりました!

バラした際にピストン&シリンダーに縦キズ
バラす前、焼き付き等はなかったのですが、爪が引っかかる縦キズが入ってました。
なのでピストンは再利用を断念…新品を入れる事にしました。ガスケットと共にヤフオクにてポチり。

ピストンはピストンリングとリングをつける溝周辺を軽くバリ取りしました。ついでにリングの角張った部分も600番のヤスリで引っ掻き防止処置を…
シリンダーとピストンのキズがこのリングの角部分に出来ていた為です。効果があるかは分かりません!

そして写真を撮り忘れましたが、シリンダー側にも爪が引っかかるキズがあったので600番のペーパーでキズ均しとシリンダー内部にホーニング傷を( ̄∀ ̄)
意識的には横に近い斜め方向に跡を付けます。
この斜め横傷がシリンダー内にオイルを残し潤滑効果を高めるみたいですよ!
組み付け
基本仕事終わりに作業をしているので当然夜なんですが季節は12月…寒いんです_| ̄|○
しかし早く組みたい症候群が…なので流石原付!
ドーン!!

はい!アパートですが、玄関の中にエンジン持って来て組みました!笑
バラしてから2週間は経過していたのでキャブのガソリンも揮発して臭いもなかったです。それにしてもピストン新品っていいですねー(^ω^)ピカピカっす!
シリンダーヘッドも面研したので始動が楽しみです。
時間も時間なのでエンジン組んで作業終了!
続く
“SUZUKIレッツ2ポート加工 鉄工ヤスリでやってみた!” への2件のフィードバック
あと、すみません。掃気ポートの加工した箇所は仕切りの部分だけですか?
排気の通り道も削ってあります。
出口のちょっと奥も削ってあります。
大人の指が抵抗なく入るくらいです!